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「果汁100パーセントのりんごジュースは虫歯にならない、って話は本当か??」について

JR南武線平間駅徒歩1分。ワコ歯科・矯正歯科クリニック院長の長崎です。

写真1

 

「果汁100パーセントのりんごジュースは虫歯にならない、って話は本当か??」についてです。

五本木クリニックの桑満先生が、食事時に居合わせた主婦の方からタイトルの質問を受け(以下抜粋)

もちろん、余分な添加剤と呼ばれるものが入っていない天然果汁100パーセントの方がお子さんが飲むには適していることは間違いないのです。でも、健康に 害がない、健康的であるからといって虫歯になる、ならない、は残念ながら関係ありません。砂糖が虫歯の大きな原因であることは間違いのない事実です(です よね、歯医者さん)。

という風に答えたそうです。

http://www.gohongi-beauty.jp/blog/?p=13879

その通りです。

細かい点で補足があります。

1.100%果汁だろうがなんだろうが、砂糖や果糖(果物の甘み)が入っていれば、それは虫歯のリスクの一つになります。

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ただ、図にあるように、砂糖の消費量と虫歯の本数は必ずしも比例していません。フロス、歯間ブラシ、歯並び、食事等アレコレ要因はあるのですが、フッ化物の応用(水道水へのフッ化物添加、フッ化物入り歯磨き粉の使用率、フッ化物洗口等)が最も費用対効果の高い虫歯対策だと認識しています。

 

2.砂糖の量自体よりも、摂取方法と頻度が虫歯のリスクを大きく左右します。

ジュースよりもアメ、アメよりもキャラメルといった具合に、粘度が高いもの、口の中に長い時間残るものの方が虫歯のリスクを上げます。

また、同じ量でも一度に摂取するよりも、複数回に分けて摂取するほうがよりリスクを高めます。

お口の中に砂糖が滞在する時間が長い程よろしくない、ということです。

 

3.脱灰と再石灰化について

砂糖(厳密に言えば、炭水化物も含みます。唾液中のアミラーゼによって分解され、糖になるからです)を含む食べ物を食べる度に、虫歯菌が酸を出して歯を溶かしています。(脱灰)

一方で、唾液の緩衝作用(酸を中和する働き)により、酸性に傾いたお口の中は弱アルカリに戻り、溶かされた歯は再石灰化(溶かされたカルシウム、リンがまた歯にペタペタくっつくこと)が起こります。

つまり、歯は常に脱灰と再石灰化の間で揺れ動いているわけです。

シーソーが釣り合っている、あるいは再石灰化の方に傾けば虫歯ができず(あるいは、虫歯の進行が止まる)、脱灰の方に傾けば虫歯ができる(あるいは、虫歯が進行する)のです。

脱灰したとしても、再石灰化するためのアレコレを実行すればいいのです。具体的には、フッ化物入り歯磨き粉で歯を磨く、フッ化物洗口を行う等です。

 

4.同じ砂糖を取っても、虫歯になりやすい人となりにくい人がいる

これらの理由により、虫歯のなりやすさには個人差があります。

年齢:3歳くらいまでは唾液がダラダラと出るので、唾液の洗い流し作用により、一般的にはすごく虫歯になりにくい時期です。3歳以降は唾液の量が減るので、この次期を境に虫歯が多くなる人がいます。

唾液緩衝能:唾液が虫歯菌の出す酸を中和する能力には個人差があります。

虫歯菌の数:お口の中に住むSM(ストレプトコッカス・ミュータンス)、LB(ラクトバチラス)菌の数により、同じものを食べても虫歯になりやすい人と虫歯になりにくい人がいます。

唾液の量:唾液の量が多いほうが虫歯になりにくいです。洗い流しの効果と、唾液緩衝能によります。

フッ化物:フッ化物入り歯磨き粉、フッ化物洗口の使用の有無、頻度により虫歯のなりやすさに差がでます。

 

ざっと思いつく限り書いてみましたが、まだあるかもしれません。

重ねて書きますが、砂糖は虫歯のリスクのひとつであって、決定的な要因ではありません。

シャア的に言えば「砂糖摂取量が、虫歯のなりやすさの決定的な要因でないことを教えてやる!」なのです。

また、砂糖は美味しいし、一度に多くの量を食べられない子供には良い栄養補給方法です。

大人が自分の責任において砂糖(炭水化物)を悪と信じ、そのような食生活をするのは勝手ですが、成長期の子供にそれを強要したり、他人にも押し付けたりするのは大迷惑です。

 

ですので、もし私が前述のお母さんに「100%のりんごジュースは虫歯になりにくいですか?」と聞かれたら

「砂糖も果物も、甘いモノは虫歯のリスクのひとつです。ただ、人は虫歯にならないために生きているわけではありません。人生を楽しむためには、時には甘いものもいいでしょう。ただ、その人の虫歯のリスクを調べた上で、経済的、精神的、社会的にご自身が受け入れられ、継続できるリスク回避方法を実行すればいいのではないでしょうか。リスクはどうやって調べるのか?具体的なリスク回避方法は? 唾液検査を行っている歯科医院で相談されると良いと思います」

と答えます。

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