開業したら歯を削る頻度が1/5になった理由(院長 長崎) | 川崎市中原区の歯科・歯医者|ワコ歯科・矯正歯科クリニック

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開業したら歯を削る頻度が1/5になった理由(院長 長崎)

JR南武線平間駅徒歩30秒、ワコ歯科・矯正歯科クリニック院長の長崎です。

 

開業したら歯を削る頻度が1/5になった理由。

かつて私は大手の歯科クリニックのグループの勤務医でした。

治療や患者さんへの説明がマニュアル化されており、初診からの流れとして

1.主訴(患者さんが来院した理由)の応急処置

2.主訴以外の歯の問題点の把握と説明

3.主訴と主訴以外の歯の治療の必要性の説明

4.治療法(保険か自費か)の提示

という感じでシステム化されており、その為のドクター勉強会も毎月行われるという、かなりドクターの教育に力を入れているグループでした。

それまで、漫然と「ただ、虫歯の歯を治療するのみ」だった私は、このグループの「歯一本を見るのではなく、口腔内全体の問題点を初診時に把握し、治療計画を立て、全体の治療の流れや回数、保険と自費の違いや値段を説明する」というシステム化された流れに非常に感動しました。

そうすると、患者さんの側も治療が必要な歯や保険と自費の質、全体の大まかな費用がわかり、何本も治療する刃がある場合に、どの歯を保険で治療し、どの歯を自費で治療するかの計画が立てられます。

結果として、自費率(治療の中で、自費の治療の金額の割合。高い程売上の総額も上がり、利益も上がる。保険よりも自費の治療の方が金額も利益率も高いため)も上がり、それなりに稼げるようになりました。

色々あってそのグループは退職し、別の歯科医院に勤務した後に開業したのですが、この「初診時に主訴だけでなく全体の問題点を把握し、治療計画を立て、患者さんに説明した上で実行する」というやり方自体は正しいと思っていますが、大きな問題点があります。

「問題点の把握」と「初診時に治療計画を立てる」という2点です。

この場合の「問題点」とは

>初期虫歯を含む小さな虫歯

>詰め物、かぶせものと歯の境目の小さな段差、二次カリエス(詰め物とかぶせものの境目の虫歯)

です。

勤務していた当時は

「小さな虫歯であろうと、早期発見早期治療が正義!」

「詰め物、かぶせものと歯の境目に小さな段差があればやりかえるべき!」

「二次カリエスがあれば、小さいものであっても当然やりかえるべき!」

「治療するのであれば、保険の詰め物、かぶせものよりも自費の物の方が精度がよく、再治療のリスクが低くなるので(なるべく)自費にすべき!」

といった事を正しいと信じ、患者さんにも説明してそれを行ってきました。

いや、今でも(基本的には)これらの事は正しいと思っていますが、ちょっとだけ違う点があるとすれば

>虫歯は、いきなりどかーんと大穴が空くわけでなく、セルフケアや生活習慣の積み重ね、その人の持って生まれた虫歯リスクによって発生し、進行する。

>つまり、初期虫歯や小さな虫歯であれば、セルフケアや生活習慣を可能な範囲で改善することで、止まったり進行がゆっくりになる可能性がある。

>詰め物、かぶせものと歯の境目の段差も、良いか悪いかで言えば良くは無いが、セルフケアや生活習慣により虫歯リスクを低く抑え、定期的な口腔内写真撮影を行い経過を観察し、問題がなければ必ずしもやりかえなくてもいいのでは?

>二次カリエスも通常の虫歯と同じく、セルフケアや生活習慣の積み重ね、その人の持って生まれた虫歯リスクによって発生し、進行するのだから、それらを可能な範囲で改善すれば止まったり進行がゆっくりになる可能性がある。

>詰め物やかぶせものは、材料の性質や精度だけで見れば「自費>>保険」だが、そもそも、何故にその人が虫歯になったかという原因を考えると、セルフケアや生活習慣の指導や改善がなければ、自費であろうが保険であろうが同じ理由でまた虫歯になる。その人のセルフケアや生活習慣の改善を行い、虫歯リスクを減らすことの方が保険か自費かの選択よりも重要なのではないのか?

といった事柄を考えるようになったことです。

で、実際に初期虫歯を含む小さい虫歯、詰め物や被せものと歯の段差、小さな二次カリエスを(痛みがなければ)すぐには治療せず、セルフケアや生活習慣の指導を行い、口腔内写真やデンタルレントゲンで進行が止まっているかの観察をしてみることにしました。

そうすると、なんということでしょう。

9割方の初期虫歯、小さい虫歯、詰め物、かぶせものと歯の段差、小さい二次カリエスは1年たっても進行しなかったのです。

※どの程度を「小さい虫歯」というのかは私自身明確な定義があるわけではありませんが、概ね「見た目でエナメル質に限局している」「レントゲンに写るが、象牙質の厚みの1/3を超えない」範囲と考えています。

私自身驚きでした。

様々な書籍や論文で、フッ化物やプラークコントロールによって虫歯が再石灰化し、進行が止まることは知識として知ってはいましたが、実際の患者さんで確認したことはありませんでしたから。

ある程度の虫歯や段差、二次カリエスであればセルフケアや生活習慣の改善で止められる!

この事を自分の目で確認して以来、虫歯を初診時に削ったり、治療の計画を立てる頻度はものすごく少なくなりました。

初診の段階で「治療計画を立てる」というのは「虫歯は進行抑制が可能である」事を完全に無視している事に気がついてしまったんですね…

最低3ヶ月は口腔内の状態を継続して観察し、口腔内写真やデンタルレントゲンで記録を行い、虫歯の進行が止まったのであれば、削る必要があるのかな、と。

痛い歯であればすぐ削る(治療する)のは仕方ないにしても、痛みがなければまずセルフケアや生活習慣の改善を指導し、進行を止めることを第一に考えるようにしたのです。

その結果、虫歯を削る頻度は「早期発見早期治療が正義」と考えていた勤務医時代と比べて、概ね1/5程度になりました。

早期発見早期治療が間違っているわけではありませんが、ともかく今は「まずは進行抑制から」と考えて日々の診療を行っています。

削らない分、収入は勤務医時代と比べて激減しましたが、それはまた別のお話で…

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