魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ（院長　長崎）

JR南武線平間駅徒歩30秒、ワコ歯科・矯正歯科クリニック院長の長崎です。

魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ（院長　長崎）

中国の格言ですが、予防歯科もそれに通じる所があります。

歯科医院で歯のお掃除をしてフッ素を塗れば、その日は綺麗になります。 フロスやフッ化物洗口の指導をして、セルフケアができるようになれば、一生その人のお口は良い状態を維持できます。

実際には一度指導しただけで完璧にセルフケアができるようになる訳ではないですし、セルフケアでできない部分はプロケアで補う必要はありますので、歯科医院でのお掃除も不可欠です。 ただ「歯科医院に来さえすればOK」というのは違うと思います。

「歯医者さんでお掃除するのが予防歯科だよ！」と（本当とは言えないけど、わかりやすい事を）言い切ってしまった方が来院数は（短期的には）増えるのかもしれませんが…

「予防歯科は『何故に人は虫歯、歯周病になるのか。そして、あなた自身はどのようにすれば虫歯、歯周病のリスクを減らせるのか』という教育と指導が最も大事で、プロケアはセルフケアで届かない部分を補うもの」と言い続けていきたいです。

では「予防歯科の教育と指導」に「これだ！」という物があるかというと、残念ながら無いのです。患者さんそれぞれの虫歯、歯周病のリスクが異なることと「正論では人は動かない」からです。

患者さんの話を聞き、主訴（来院した理由、今困っていること）を改善しつつ「どう言えば興味を持って貰えるか」を探り、セルフケアや生活習慣を少しづつでも改善して貰えるようアレコレ試し、うまく行けば続け、うまくいかなければ別の手を考えます。

予防歯科がなかなか普及しないのは、患者さんによりリスクや状況が異なる為、セルフケア指導やプロケアもきめ細かく対応しないとならず、かつ「必ず結果が出るわけではない」という不確実性にあるのかな…と思っています。

あと、多くの方が歯科医院を「魚を買う所＝治療やお掃除をしてもらう所」と考えて「魚の釣り方を教わる所＝お口のチェック、セルフケアや生活習慣の指導を受ける所」という意識が非常に薄いのも予防歯科が普及しない理由の一つと考えています。

ワコ歯科・矯正歯科クリニックは

主：魚の釣り方を教える。

従：魚を売る。

場所です。お腹が減って死にそうな人（歯が痛い人）には魚を売る（治療をする）事もしますが、メインの仕事は魚の釣り方を教える（歯のチェックと指導）です。