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健康食品・中毒百科 読了

JR南武線平間駅徒歩1分。ワコ歯科・矯正歯科クリニック院長の長崎です。

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健康食品・中毒百科 内藤裕史先生 著 読了。

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世間一般で「健康にいい」と言われている健康食品、サプリメント、天然由来の成分なので副作用がないと認識されている漢方薬諸々を使った時の中毒事例の本。

古の賢人パラケルススの言葉に

「この世に毒でないものはない。あるものが毒になるか薬になるかはその用いる量によるのである」

というものがあります。

健康食品でも、一日一粒と書いてあるのを一日一瓶飲めば、まあ何かしら悪いことは起こるでしょう。

醤油も、一リットル一気飲みすれば死ぬように。

箇条書きにすると

・健康食品とかサプリは薬よりも法的な規制が緩いから、何が入っているかよくわかんないし「飲めば飲むほど健康になる」と勘違いする人がいるよね。

・飲むべきものを傷口に塗ったりとか、作り手側の予想もしない使い方をすると害になるよね。でも、お医者さんが出す薬なら用法、用量をちゃんと対面で説明するし、注意書きも渡すけど、健康食品とかサプリとかだとそのあたりがゆるいよね。

・医療者側は、症状や聞き取り、立ち振る舞いを見て「どのような状態なのか、どのような薬を飲んでこうなったのか」をよく考えてね。やせ薬とかだと、本人が飲んだことを認めない事もあるから、本人の言葉をうのみにしないほうがいいよ。疑えとは言わないけど、そのへんよろしくね。

といった事を訴えるために書かれた本だと思いました。

健康食品、サプリメント、漢方薬を一概に否定するものではなく「どんな物質も量や頻度、体質、状況によって毒にも薬にもなりうるので、医療者側も患者さんの側も、そのへんをよく理解したうえで使ってよね」ということでしょう。

私は歯科医師なので、お薬を出す機会はお医者さんよりはだいぶ少ないですが、患者さんが「どのような薬(あるいは健康食品、サプリメント、漢方薬)を飲んでいるのか」「それによって、口腔内(あるいは全身)にどのような影響が出るのか」というのは、ある程度知っておく必要があります。

親知らずを抜いた後、傷口に健康食品のプロポリスを毎日塗って、猛烈な腫れと痛みが出た患者さんが私のクリニックでもいました。

「飲んで健康に良いものだから、塗っても良いと思った」

とのことです。。。

親知らずを抜いた後はただでさえ腫れる、痛みがあるものです。

プロポリスを塗ったことが腫れ、痛みが強くなった原因かどうかはわかりませんが、バイキンに栄養を与えたようなものですので、少なくとも良い影響は与えなかったでしょう。

ホメオパシーの事も書かれていました。

ホメオパシーとは

・病気を治すには、病気のもととなる物質を超薄めて飲ませればよろしい。

・太平洋に一滴の物質を垂らしてかき混ぜたくらい薄めるべし。

・超薄めたものを砂糖玉(レメディ)にして飲むべし。

というトンデモ医療です。

私もレメディを入手して飲んだことがありますが、甘くて美味しい以外には特に何も感じませんでした。

計算上、元の物質が一分子たりとも含まれていないので、副作用はまったくありません。マジか!素晴らしい!

有効成分が含まれていないのに効果がある理由については

「水に有効成分の波動が染み込んでいるのです」

とのことです…

水は循環しているので、その理屈で言えば

「水には、地球上すべての物質の波動が染み込んでいる」

はずなので、水を飲むだけで万秒が治るはずなのですが…

 

このレメディですが、入手するには

・患者自身がホメオパシーのことを勉強し、自分自身の症状に合わせて処方する。

となっているようです。

このシステムを知った時、実にうまい方法だなと関心しました。

医師、歯科医師が薬を処方する場合、その人の病気、体質、年齢、性別諸々にあわせた「さじ加減」を行い、出た結果に対して責任を負います。

ただ、患者さん自身が処方するシステムなら、

・うまくいったら、レメディのおかげ。

・うまくいかなかったら、自分の勉強不足。

となって、ホメオパシーという分野自体には決して責任が及ばないようになっています。

しかもご丁寧に、レメディを使っているのに何かあった場合、体から毒が出る過程の「好転反応」なので、治るまで続けなさいとしているのです。

なんの効果もない砂糖玉しか取っていなければ、フツーに考えれば「症状の悪化」以外の何物でもないと思うのですが。。。

歴史のあるトンデモ医療なのですが「レメディを使ったことによる」健康被害は非常に少ない例しか報告されていません。

この本でも、レメディに含まれていたヒ素による健康被害の例が数例あるだけでした。

そりゃあ「有効成分が何も含まれていない」のですから、健康被害も発生しようがないですね。

ただ、ホメオパシーの問題としては

「西洋医療を敵視し、西洋医療の治療や投薬を受けることを禁止する」

ことにより、患者さんが適切な医療を受ける機会を逃すことにあります。

その一方で、上記の「患者自身にホメオパシーの勉強をさせて、自身に処方させる」ことで、処方に関する責任を丸々患者さんに負わせているわけです。

日本の某所にあるホメオパス(ホメオパシーの専門家)専門学校の願書(というか、誓約書)には

「ホメオパシーの手法により病気が治らない場合は、西洋医療の専門家に相談することを誓います」

という一文があります。

それを読んだ時「そりゃないよ」と思いました。

散々西洋医療を否定しておいて、ホメオパシーの有効性を説いておきながら、ダメだった時には頼るのかよ!と。

筆者は医師ですが、別に健康食品とかサプリメントとか漢方薬に恨みがあるわけではなく、

「薬は毒!健康食品やサプリ、漢方薬は安全!…じゃないよ!使い方とか体質にもよるから、そのへんくれぐれもよろしくね。患者さんの側も、医療者側もね!」

という啓発の為に書かれた本です。

お医者さん、歯医者さん、薬剤師さんは必読です。

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