Facebookでフッ素反対論者の歯科医師に絡まれた話(院長 長嵜)平間 歯科 歯医者 予防歯科
JR南武線平間駅徒歩30秒、ワコ歯科・矯正歯科クリニック院長の長嵜です。
Facebook(FB)でフッ化物の虫歯予防効果関連の投稿をしたら、とあるフッ素反対派の歯科医師から「フッ素の虫歯予防効果にエビデンスはない。論文は?」と絡まれました。
Pubmedやグーグルスカラーで「フッ化物 う蝕」で検索すればいくらでも出るのですが…
また、厚生労働省、WHO(世界保健機関)、FDI(国際歯科連盟)による複数の声明で、虫歯予防にフッ化物を使うべしと書いています。
その旨返信した所、ブロックされました。
こちらから絡んだ(投稿にコメントした)わけではなく、あちらの方から私の投稿にコメントし、それに(なるべく丁寧に)返信したらブロックされたというのは、なんともイヤーな気分になりました。
フッ化物の虫歯予防効果に対する研究としては、1945年アメリカミシガン州グランドラピッズを始めとする3つの都市で行われたフロリデーション(水道水へのフッ化物添加)の実験が有名です。
https://www.niph.go.jp/journal/data/52-1/200352010006.pdf
の4P目に、フロリデーションによるう蝕の予防効果のグラフがあります。
対照群(比べるためのグループ。この場合はフロリデーションを行っていない都市と比較)も設定し、10年に渡る大規模なものです。
これにより、フッ化物にう蝕の予防効果があることが明らかになりました。
その後も、度重なる研究や検証が続けられ、フッ化物に虫歯予防効果があることは「地球が太陽の周りを回っている」レベルの大前提となっています。※アメリカには、地球は平面だ協会なるものがありますが…
もちろん、フッ化物さえ使えば虫歯が完全に予防できる、という単純なものではありません。
虫歯は多因子性疾患(様々な要因が絡み合って起こる病気)であり、フッ化物の使用は「虫歯リスクを低下させるものの1つ」であって、全てではないからです。
それでも、(フッ化物を使わない)単なるプラークコントロールや、佐藤の摂取制限が非常に少ない虫歯の予防効果しか無いのに比べ、フッ化物の虫歯予防効果は先人達の研究や統計から明らかです。
つまり「フッ化物を使えば虫歯にならないわけではないが、現時点でフッ化物以上にコストや手間的に有効な手段は存在しない。よって、虫歯予防にフッ化物を使わない理由はない」のです。
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絡まれた挙句ブロックされてイヤーな気分になったと書きましたが、私にも落ち度はあります。件のフッ素反対派の歯科医師は、名前を検索した所、歯科業界でそれなりの地位があり、それなりの場所に開業し、それなりに稼いでいらっしゃるようでした。
そのような(多分)プライドの高い方が(多分)善意でご教授くださったのであれば「ご意見ありがとうございます」と、プライドを傷つけないように対応するべきでした。
まだまだ私も修行が足りません。