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国民生活センターの「あなたの歯科インプラントは大丈夫ですか」への歯科医師としての意見(院長 長崎)

JR南武線平間駅徒歩30秒、ワコ歯科・矯正歯科クリニック院長の長崎です。

>国民生活センターの「あなたの歯科インプラントは大丈夫ですか」への歯科医師としての意見(院長 長崎)

http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20190314_1.html

リンク先を読んだ感想は「うーん、とうとう公的機関がインプラントのリスクに言及するようになっちゃったか…弱ったなあ…」というものです。

インプラント手術に関するトラブル、術後の痛みや後遺症等の「被害報告」が書かれており、一般の方が読めば「インプラントは怖い」という強い印象を受けること間違いなしです。

個人的な意見ですが

「歯を失った場合、インプラントは有効な治療の選択肢の一つであり、適切な準備を行い、適切な方法で手術を行い、適切な方法でメンテナンスを行えば、リスクを低くでき、メリットは大きい」

と思っています。

私も昔はインプラント治療をやっていました。

ただ、現在はやっておりません。

それは「インプラント治療が危険だから」ではなく「インプラント治療を行うということは、どこかで歯を抜いているということ。予防歯科を中心にやっていきたいので、抜いてからの治療であるインプラントよりも、なるべく抜かない事に集中したい」という理由からです。

インプラント治療自体は楽しいですし、それなりに儲かるのですが、いろんなことを一度にやれるほど器用でもないし、頭もよくありませんので…

国民生活センターでは、インプラント治療の問題点として、以下の5つを上げています。

これらのことは、インプラント治療に限らずすべての歯科医療においてクリアしなければならない問題でもあります。それぞれに私見を述べます。

1.治療前の全身状態が把握されていないことがある。

私見:初診時の問診で、全身の健康状態や持病、服薬等を把握しておく必要があります。

また、健康状態は常に変化するものなので、大きな処置に際しては、再度確認する必要があります。

 

2.歯科医師のスキル、知識が十分でないことがある。

私見:インプラント治療に限らず、治療に際しては歯科医師免許を取っただけでは不十分です。本を読み、先輩歯科医師から技術を学び、勉強会に参加し、常に技術や知識の研鑽をしなければなりません。

 

3.治療後の不具合への対応方法が不適切なことがある。

私見:医療は不確実なものなので、事前に治療後の不具合が出る可能性を十分に説明し、その場合にどのような対応をすれば良いかも予め準備しておく必要があります。

 

4.日頃の口腔清掃や定期検診が重要な理由を知らせていないことがある。

私見:そもそも、患者さん自身のセルフケア、生活習慣、持って生まれた虫歯や歯周病のリスク諸々の積み重ねによって抜歯にいたり、インプラント治療が必要になります。

インプラント治療自体がうまくいったとしても、セルフケアや生活習慣、患者さん自身の歯周病リスクがそのままであれば、同じ理由でインプラントがダメになる可能性が高いのです。

歯科医師は、インプラントの治療前後に、セルフケア、生活習慣の改善、そしてそれらが継続できているかのチェックのために定期検診が必要なことを十分に説明する必要があります。

…が、あまりうるさいことを言うと「じゃあ、インプラントやらない」となってしまうので、目先の売上が欲しい歯科医師は、セルフケアや生活習慣の改善の必要性をあまり説明せず、とにかくインプラント治療を先行させようとすることもあるようです…

 

5.インプラント治療に関する専門的知識や技能を有する歯科医師が必要。

私見:インプラント治療に限りませんが、医療行為には専門的知識や技能は必要です。

私はインプラント治療についてもっと勉強したいと思い、6年程前に日本歯科先端技術研究所の「日本口腔インプラント学会認定講習会」に参加しました。

http://www.nissenken.org/kensyu_kouen/jsoi_nintei_corse.html

大変勉強になりましたし、インプラント治療をやっていた時にはそこで学んだ知識、技術が大変役に立ちました。

現在はインプラント治療自体はやっていませんが、他院で行ったインプラントのメンテナンスでは、学んだ知識、技術が役に立っております。

今回の「あなたの歯科インプラントは大丈夫ですか 」の発表については、国民生活センターに寄せられる相談が、このような発表をせざるを得ないくらいに数が増えている、ということなのでしょう。

インプラント自体は優れた治療法であり、適切な準備をしたうえでインプラント治療を行えば、成功率は高く、患者さんにも満足頂けるものと思っていますが、そうではないケースも相当数あるのでしょう。

歯科医師として、この事実は重く受け止めざるを得ません。

個人的には「フッ素うがい等による虫歯リスクのコントロール、フロス等による歯周病のリスクのコントロールで、そもそもインプラント治療にならない(抜歯しない)ようにすることが最善である」と考えて日々の診療を行っていますが、それでも残念ながら抜歯になる場合もあります。

その際の選択肢としてインプラントは優れた治療法ですが「インプラント治療は、失敗した場合の患者さんの精神的、肉体的、経済的なダメージが大きい」のです。

ただ、今回の発表によって、患者さんが選択肢を狭めてしまう、現場の先生がインプラント治療を回避するような自体は望ましくありません。

歯科医療機関や、ひとりひとりの歯科医師が「私は、インプラント治療におけるトラブルを避けるために、こーゆう対策を取っていますよ」という地道な情報発信を行うしかないのかな、と思います。

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